NPOメディカルヘルスケア療法協会

NPOの公式ブログとして 〝病気になりづらい身体づくり〟健康をテーマに信頼性が高いエビデンスがしっかりとした研究を基にした論文を分かりやすくお伝えし皆様が正しい知識を日頃のヘルスケアに役立てもらいたいと考え日々発信していきます。

免疫システムって?

昨日、ご年配の方から「免疫システムってテレビでなんども言っていたんだけど?」と免疫について質問がありましたので今日は体に備わる免疫の話を書こうと思います。

 

感染症について科学的な側面から理解を深めるためにはまずは感染症とそれを防ぐからだのしくみを知っておく事が重要だと考えます。

感染症を引き起こす病原体が体内に侵入するのを防ぐために人間のからだには2種類の免疫のしくみが存在します。それは「自然免疫機構」と「獲得免疫機構」です。自然免疫機構は生まれつきからだに備わっている粘液や唾液などのバリアーや白血球、病原体の働きを弱めたり病原体そのものを殺したりする働きがあります。これに対して獲得免疫機構は生後に獲得されてくる免疫であり自然免疫機構を突破した病原体への対抗策と考えて良いでしょう。獲得免疫機構には学習効果があるのでリンパ球が以前に侵入した病原体を覚えていて抗体などを用いてこれを撃退する働きがあります。

代表的な病原体は細菌・真菌・ウイルスの3種類なります。このうち細菌は1個の細胞からなる単細胞生物という物になり真菌はいわゆるカビのことで単細胞で存在するものも多細胞を形成するものもいます。それぞれ抗菌薬(抗生物質)と抗真菌剤が有効となるのはご存知かと思います。すなわち風邪(ウイルスには)抗生剤が効かないのはこれが理由になります。

一方でウイルスは0.1マイクロメートル以下と小さく生命の最小単位とされる細胞を持たないすなわち生命体とは言えない物質を言います。自分でエネルギーを作ることができないので宿主細胞の中に入り込み増殖する事が唯一でありウイルスには抗菌薬は効かないのも特徴です。一部の抗ウイルス剤が効果を示すものの限定的でよって自分の免疫力で排除する必要があるのがウイルスという事になります。

非常に小さなウイルスは、10マイクロメートル以上の網目をもつ通常のマスクで防ぐことは難しいのは当然でありますしまたむやみに抗菌グッズや空気清浄機を使うとからだの表面や内腔に住み着いているよい細菌を殺してしまうことになるためお僕としては過度な安全性はかえって人の免疫システムを低下させると考えますので起きをつけ下さい。