NPOメディカルヘルスケア療法協会

NPOの公式ブログとして 〝病気になりづらい身体づくり〟健康をテーマに信頼性が高いエビデンスがしっかりとした研究を基にした論文を分かりやすくお伝えし皆様が正しい知識を日頃のヘルスケアに役立てもらいたいと考え日々発信していきます。

新型コロナに感染するとどうなのか?

今回はコロナに感染するとどうなるのか?また後遺症はどうなるのかを今まで部分的にお伝えしてきました。しっかりと一般の方にまとめて伝えるのが難しくなかなか書いてこなかったのですが今回はその辺りを書いてみようと思います。体の話はなるべく分かりやすく専門用語を噛み砕いてお伝えしてはいるものの例えばコロナのような感染症を噛み砕くには救急救命医学や感染症学、血液学そしてこの話を症状で伝えるにはサイトカイン血症やウイルス血症 サイトカインストリーム SEPSIS(敗血症) DICなどなどと書いていていつも自分自身が迷走してしまいそうになる事もあり改めて専門用語を一般の方にお伝えする難しさを感じます。しかし今回は長期にわたりマスコミが特定の疾患や合併症をクローズアップしコロナがまるで他の感染症と違うような話をどうどうとし一般の方々からするとコロナは特別な感染症と勘違いしているようなので説明して行きたいと考えております。どうしても専門用語が入りますし多少伝わりやすくする為に医療系の方からするとおかしな点もありますがご了承ください。

※ 今回初期の症状から重症まで段階をへて説明していますけっして全員がなるわけではありませんあくまでも経過です。(大多数は初期で治ります。)

 


1 コロナに感染すると初期に現れる症状はどんなかんじ?

当初は皆さんご存知のとおり風邪と似たような症状つまり咳や熱がでたり息苦しさを感じます。新型コロナウイルスも元々は風邪のウイルスですから当然風邪症状が出現します。初期においては喉の奥の方空気が通る道の上部(上気道)にウイルスが張り付きます。この限られた場所でウイルスが悪さをするので咳や熱を出してウイルスをやっつけ為に免疫システムが活動します。だいたいがこの段階で通常はウイルスをやっつけて治ってしまします。この辺りはテレビでも感染しても症状が出ない人やすでに本人が風邪かと思っって治ってしまったなどの人がいると報じてていますよね通常はこの程度の病気だと言えるでしょう。

 


2 初期症状が悪化するとどうなるの?

初期の症状が残念ながら免疫力が弱い方例えば癌などですでに体力が弱いなどの方や持病があり免疫力が弱まってしまっている方などはウイルスの増殖を自分自身で抑えられないと喉だけでなく徐々に全身に広がってしまうケースがありそれが段々と厄介になるタイプになります。ウイルスが広がるときには血管の中にある血液を利用して徐々に全身へと広がっていきます。このウイルスが血液の中に入り込み広がる状態を〝ウイルス血症〟と言いこれはウイルスが血管内に沢山増えてしまっている状況です。この時体では血液の中にある白血球をフルに活用してウイルスをやつけようとしますが白血球だけだと弱いので白血球は仲間に協力を求めますがこの時にサイトカインと言う物質を出して呼びかけるのですがなかなかウイルスを倒せないと白血球はサイトカインをもっと出していきます。その結果出しすぎたサイトカインはウイルスだけでなく自分自身をも攻撃し始めて身体を傷つけてしまいこれは困った状況とも言えます。この様なサイトカインが多く出て血液の中や全身に出ている状況を高サイトカイン血症とかサイトカインストームと呼びます。

まとめると 白血球ががウイルスを攻撃するときに出すサイトカインと言う物質がウイルスだけを攻撃するのではなく自分自身の体も攻撃している状況が初期の症状が悪化すると起きてくる事になります。(免疫の暴走)

3 もっと進むとどうなるか?

サイトカイン症候群が進むとサイトカインが多量に出る事で体の血管や臓器が傷つき敗血症に陥ります。この様な状況の患者さんは通常の入院病棟ではなくICU(集中治療室)での治療を必要とします。

各臓器が傷つき回復する為に必要な酸素が少ない状態ですので酸素を投与して補ったり血圧がどんどん下がるので輸液を流して血圧を上げたりと様々な対処を行うのもこの時期です。同時にこれ以上ウイルスが増えない様に副作用を覚悟で抗ウイルス薬などを投与するなどしていきます。

 


4 敗血症よりひどくなるとどうなるの?

敗血症が続くと血管や臓器が傷つき色々な場所から当然出血しはじめますそうなると体は出血した血液を固めていくのですが固まった血液は細い血管でつまりその先にある臓器は血液をもらえずより一層ダメージを受けてしまう悪循環が起きてくるのです。この状況を〝播種性血管内凝固症候群(DIC)〟と呼びます。治療としては血液を固めてから血液を溶かす治療を進めていきます。この状況は患者さんの状況に応じて薬をコントロールしなくてはならず専門性とともに経験が必要となる難しい治療となります。

補足※1 体量に血液が固まり過ぎる為にフイブリンが足りなくなり凝固専容系の亢進に繋がります=DIC そしてこの状況で起きるSHOCKをSEPSISI SHOCK(敗血症性ショック)と言います。この辺りは飛ばしてください(医療系学生向け)

※2 マスコミなどで川崎病(全身の血管で起きる炎症)の話題が出ていますがコロナに感染し全身症状が類似している事でそう言われているのではないかと推測します。当然川崎病に類似した後遺症がでる可能性があります。

 


5 敗血症やDICになり回復した方が残る可能性がある後遺症は?

例えば 敗血症で脳に影響が出た方は運動障害やその他の障害が残ります。肺にでた人は肺繊維症や間質性肺炎などが残り呼吸が大変になります。 腎臓に出た人の場合は慢性腎不全などになります。

敗血症やDICでは全身の臓器がやられてしまう可能性がありますので色々な後遺症がでる事が考えられます。

まとめ

コロナ感染をすると初期では風邪に類似した症状が出ます。この段階でほとんどの方が治っています。残りの数%の方が運悪くウイルスの増殖が進むとサイトカインストリーム→敗血症orDIC→播種性血管内凝固症候群と進みます。

マスコミはあたかも新型コロナウイルスは未知のウイルスだとか特別なウイルスの様な話をしますがまるで違います。いかなる感染症でも今説明してきた症状の流れで症状が進むわけですから通常の風邪からの状態とほぼ同じでので今まで医学的な感染症の概念から逸脱したウイルスとは言えないと考えます。いたずらに不安を煽ったり心配する必要はないと考えます。

次回は 第二波に備えるために自身で行う対策について書きます。