最近度々ニュースで高齢者ドライバーの事故が取り上げられています。私も目にする事が増え一つ違和感と専門家のコメントに危機感を覚えました。
その一つのニュースで事故を起こした高齢者が事故を起こした直後に支離滅裂な言動や行動をしていたと報じられコメンテーターがその様な高齢者に運転をさせるなとか、または専門家は事故の状況からみてブレーキをかけていないのが原因などと述べ高齢者の運転を辞めさせる内容に番組が構成されていました。
まず、高齢者が死亡事故を多く起こしているような印象が近年ありますが1番やはり死亡事故が多いのは若者の運転であります。これはデータではっきりしています。
次に高齢者の事故の4割は単独事故である事も書き加えます。
先に述べた事故後に高齢者が異常行動や言動があった話を考えるまた、言動にある「事故前の記憶がない」などの話はまさに認知機能の低下ではなく私の様に病院やその他でよく見るせん妄現象だと考えます。
せん妄とは手術後に起きる目を覚ました時に訳の分からない話や行為をする現象や寝て起きた際に自分自身が何処にいるか分からない様な状態に陥る現象でありしばしば高齢者の様に日頃日中寝ていたりする方には多くみられる現象です。
患者さんのご家族が最近うちの母が訳の分からない話をするので認知症じゃないかと質問がありますが私はその方が時間があるとウトウト最近している事を知っているのでそれは認知症ではなくせん妄だと考えますとお伝えします。
この事を考えてから高齢者ドライバーの事故についてあらためて考えないと根本的な事故防止につながりません
高齢者は若い方より多く薬を飲んでいます。例えば風邪薬やH2ブロッカーなどの胃薬、またはパーキンソン病などの薬はせん忘が起きやすい薬になりますし血圧を下げる薬をのみあまりに血圧が下がれば脳貧血などにより意識を失いかねます。
つまり近年同じ様な薬が各診療科により出される時代に多く薬を飲まされている高齢者にあってせんぼう現象は起きやすいわけです。
つまりテレビやマスコミに出る専門家はまずは根本にあるこの様な高齢者が日頃置かれている環境を加味して分析をしないであたかも高齢者ドライバーが危険のような話を公の場所でするのは間違えています。テレビを見ている方などはそれを聞いて高齢者ドライバー🟰悪の様な印象につながる恐れがあるからです。
それなのに事故の専門家や場合により弁護士などがせん妄を知らない事により憶測で話すのは大変危険であり
むしろしっかりと背後にある薬などによるせん妄について言及し製薬会社や多量に出される薬に対しての話を改めて世間に知らせてもらいたいものだと考えます。
皆様の周りの高齢者が薬を大量に飲んでいないか、またはしばしば暇な時間に寝ていないかを確認しその様リスクを避ける努力がせん妄を減らして事故の再発を防止する一つになると私は考えます。