NPOメディカルヘルスケア療法協会

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ダイエット ② 食欲のシステム

食欲ってどう感じるのか?
私たちは空腹になったとき「何か食べたい」という摂食欲すなわち食欲を感じます。食欲を感じると「お腹すいた〜」などと言いながらお腹をさする動作をする方もいるくらいですから、食欲は胃で生じていると考える人もいるのではないでしょうか?
しかし胃は口にした食べ物を消化するための器官にすぎないですので、やはり食欲を司るのはやはり脳であり脳の視床部にある「食中枢」とよばれる部分で食欲が起きます。食中枢には「摂食中枢」と「満腹中枢」という二つの中枢がとなり合って存在していて摂食中枢は空腹を感じたときに食べ物の摂取を促す信号を出し、一方で満腹中枢は満腹のサインを受け取って食べることを停止させる信号を出します。
摂食中枢と満腹中枢はこのように相反する役割をもっており、互いにアクセル
やブレーキとなりながら食欲をコントロールしています。
では、食欲が生じたり抑えられたりすときに摂食中枢と満腹中枢はそれぞれどのように働いているのでしょうか?

それは食事をしたときの体内で起きている状況を見るとわかりやすいです。食物を摂取すると炭水化物が分解されてできるグルコース(ブドウ糖)が小腸で吸収されて血液中での濃度が高まります。(血糖値が上がる)
すると血糖値を下げる働きをもつホルモンである「インスリン」がすい臓から放出されます。
これらのグルコースインスリンは血流に乗って摂食中枢と満腹中枢に働きかけ、グルコースインスリンは摂食中枢に対しては活動を抑えるようにし満腹中枢に対しては活動を活発にするように働きます。
その結果私たちは満腹感をおぼえて食事をやめるのです。このほかにも白色脂肪細胞から分泌される「レプチン」も脳の視床下部に働き、満腹感を生じさせるのに一役かっていたりします。
その後逆に食事をやめてしばらくすると血中のグルコースの量が少なくなり摂食中枢の活動が活発化しはじめ、この状態が続くと肝臓で中性脂肪が分解されてできた脂肪
酸が血中に放出され摂食中枢を刺激するのです。
食欲と一言で言ってはいますが体の中ではこの様な複雑な流れがあるのです。
おそらく一度は耳にした言葉もあったりこの仕組みが例えば低糖質ダイエットやその他のダイエットの根本にあります。インスリンを血中から減らすために低糖質なダイエットが必要でありその方法は実は食欲を抑えるダイエットといっても良いでしょう。